スプーン1本20円:高級店の本質は体裁ではなく味にある
Yahooに、「超一流ホテルのグルメショップでスプーンを1本20円で購入しなければならなかった」という記事がありました。筆者はがっかりしたそうです。せっかくの高級店で20円のことを言われたくなかったのかもしれません。
超一流ホテルのグルメショップ「スプーン1本20円」 高級フルーツ店の「手提げ有料」これってどうなの?(関西テレビ) - Yahoo!ニュース
しかし、本当にがっかりするような事例なのでしょうか?高級店が提供すべき本当の価値について、改めて考えてみましょう。
高級店の本質:外見ではなく「中身」
高級店の本質は、体裁にはありません。提供される商品の「質」にあるべきです。
例えば、美食文化を支えるレストランは素材の選定・調理技術・そこから生み出される味、に重点を置き、非日常的な体験を提供します。高級店にとって、味の追求は最重要課題です。
2022年に発表された消費者調査のデータを見てみましょう。消費者の約70%が「高級店に求める最も重要な要素」として「質と体験」を挙げています。つまり、消費者は提供される価値そのもの(内面的要素)に期待していると言えます。
体裁と世界のトレンド
スプーンや包装に追加料金が発生することは、かっこいいことではないかもしれません。しかし、これらはエコロジカルな取り組みや世界的なトレンド(SDGs)に基づいたものです。このようなサステイナブルな取り組みは、企業の社会的責任(CSR)を反映しているとも言えます。
問題なのは、環境に配慮している=かっこいい、という価値観が未だ浸透していないことです。本来、やりたい放題ではない、周囲環境に配慮している姿勢はかっこいいはずです。
体裁志向を乗り越えるために
勿論、「体裁」も高級店には必要だという意見もあります。それで言うと、スプーンに20円を要求するのは、みずぼらしく感じるかもしれません。
日本には、奢ることがかっこいい、お金を出すことがかっこいい、1円単位で割り勘をするのがかっこ悪い、という価値観があります。
どのようにすれば、この価値観を乗り越えらるのでしょうか。上手く転換、シフトさせたいものです。
結論:価値観の再定義
折角の高級店でスプーンが20円で販売された―。
ここにがっかりするのか、企業のエコ意識やCSRを感じるのか。ここは、受け取り側の問題です。現在、世界はどのような価値観なのか、どういう考え方が広まっているのか、常にアンテナを張っておきたいものです。
そして、高級店が提供してくれた味や体験に目を向けることも大事です。何が本当に大事な物か、何が本質かを理解する事で、より一層人生を謳歌できると思います。